2000年頃までは店舗を開業するにあたってスケルトンの物件を探す人が殆どでした。商売を始めるからには縁起がいいことが第一条件であり、つぶれた店舗の内装をそのまま利用するとコストがかからないということは当然に分かっていても、居抜物件を求める人は希でした。
従って立地が気に入って以前の入居者が内装を残した物件を借りざる得ない場合でも、あえて全て解体してスケルトンから内装をし直すということが一般的に行われていました。この時代の店舗の開業には相応の資金力と覚悟が必要でした。この風潮に変化が現れたのが2000年以降です。バブル経済が崩壊しても一向に景気が上向く兆しがなく、希望退職やリストラの嵐が吹き荒れて終身雇用の保証がなくなり、一国一城の主として独立開業を目指す人が大量に出てきたのです。
このような人たちも当初は資金力がありスケルトン貸しを希望する人が大多数だったのですが、やがて少ない資金で独立開業を目指す人が多数を占めるようになり、居抜き物件を売買するマーケットが成立するようになりました。現在は低い予算で開業を希望する人が殆どなので、居抜き物件を1円でも高く売るには、開業希望者に店舗を取得後に即営業可能であると思わせることがポイントになります。
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