自ら店舗経営をするためや新たな店舗の展開を計画している時は夢や希望がいっぱいのはずですしかし現実には立地条件、商圏内の消費者人口や年齢構成、店舗周辺を移動する人口、広告宣伝による負担と営業収支の中身によっては、そのまま店舗運営を続けるか撤退するかを決めなければならないこともあります。仮に撤退すると決めた時も負担が生じます。その負担とは賃貸借契約に定められている原状回復の負担、解約予告期間の家賃払いの義務です。

原状回復は、契約に基づき店舗を借り受けた状態に戻すことで、仮に居抜き物件であっても契約内容次第で備品や装飾品一切を含めて撤退しなければならないこともあります。解約予告期間は店舗からの撤退期日から2ヶ月~6ヶ月前に家主にその旨を通知することで、多くの場合営業停止状態の中で家賃払いだけが義務付けられます。この2つは営業収益が赤字の中でもあっても負担しなければならないものです。そのため、仮に売上不振なら居抜きとして売却をすることでこの負担を避ける方法が取られることがあり、それが最初に上げた居抜きです。

この方法を実行するためには、家主側に居抜きを希望する旨を伝え、解約予告期間中に新たな出店者を確保する必要があります。また、早期に新規出店者を確保するため備品や内装などを無償で譲渡することもあります。これは、たとえ無償譲渡であっても、原状回復費用と店舗撤退までの家賃負担が少なくなることでのメリットを優先するものです。